炭
岩手が、100年以上張ってきた産業。
木炭の生産量で、岩手県は長く全国上位にあります。2024年(令和6年)の生産量は 1,379トン、全国シェア23.2%で1位。ただし前年の2023年は高知県が1,512トンで1位、岩手は1,399トンで2位でした。年によって入れ替わる、僅差の首位争いが続いています。
出典:岩手県「県勢の姿」/農林水産省 特用林産物生産統計調査岩手が炭の産地になったのは最近のことではありません。大正元年(1912年)に生産量日本一を確立し、昭和30年代には「岩手窯」という独自の窯を開発しています。原木となるのは、ナラをはじめとする広葉樹。針葉樹の人工林とはまったく別の森が、この産業を支えてきました。
「岩手木炭(岩手切炭)」は、2018年8月6日に地理的表示(GI)第66号として登録されています。木炭のGI登録は、全国でこれ一件だけです。
炭素の割合はおおむね90%。全国規格の75%以上を大きく上回ります。
出典:農林水産省 地理的表示産品情報発信サイト補足
炭は、燃料としてはガスと電気に置き換わりました。しかしいま、木炭は別の文脈で読み直されつつあります。バイオ炭として土壌に埋めれば、炭素を長期間固定できる。J-クレジット制度にも、バイオ炭の農地施用が方法論として位置づけられています。
千年以上前から続く産業が、気候変動対策の文脈で再登場する。森の産業には、こういうことが起こります。